最高裁判所第三小法廷 昭和23年(れ)1714号 判決 1949年4月19日
主文
本件上告を棄却する。
理由
辯護人池辺甚一郎の上告趣旨は末尾添附別紙記載の通りで、これに對する當裁判所の判斷は次ぎの如くである。
第四點に付て
第一審の公判前に提出された證據書類及證據物は第二審においては必ずしも其證據調をする必要のないことは大審院が繰り返し判例として居た處で、その變更の要を見ない(大審院大正一四年(れ)第一六一七號同一五年六月一九日言渡判決。同院昭和一〇年(れ)第一四六一號同一一年三月五日言渡判決等参照)論旨は理由がない。(その他の判決理由は省略する。)
よって、最高裁判所裁判事務處理規則第九條第四項舊刑事訴訟法第四四六條に從って主文の如く判決する。
この判決は裁判官全員一致の意見である。
(裁判長裁判官 長谷川太一郎 裁判官 井上 登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 穂積重遠)